年齢 | 50代 |
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性別 | 女性 |
主訴 | 度重なる修復補綴物の脱落 度重なる修復補綴物の脱落のほか、全顎的な歯周組織の腫脹、出血のため歯周病の治療を希望し来院。 |
診断 | 広汎型重度慢性歯周炎StageIV GradeB 外科処置を含む全顎的な歯周治療、口腔機能回復治療を行い、再評価の後SPTに入った。その後歯根破折により下顎臼歯部に、インプラント治療を行った。 |
全顎にわたり歯肉の炎症・腫脹、多数歯に4mm以上の深い歯周ポケットを認め、X線所見では根尖に及ぶ深い垂直性骨欠損を認めた。
歯周外科治療後は、一時的に腫れや痛みの症状が出ることがあります。
最終補綴物装着後、SPTを行った。
3か月ごとに来院し、プラークコントロール、ナイトガードのチェックをしていた。しかしながら家族の介護などで、来院頻度が徐々に減少した。その結果、プラークコントロールへの意識も薄まり、左側臼歯部は根面う蝕から歯根の破折が生じ、抜歯を余儀なくされた。
歯周治療により歯冠長が長くなった結果、近心隣在歯部分に比べて歯肉位置が低くなり、
清掃性が悪かったことも原因とが考えられる。
抜歯後には、歯槽提の高さもさらに低くなったため、チタンスクリューピンによる垂直的GBRを行った後にインプラント埋入を行い、骨・歯頚部の連続性を改善することを目標とした。
遊離歯肉移植も行うことで口腔前庭を拡張し、結果清掃性を高め、今のところ良好なプラークコントロールは確立している。
患者はブラキシズムがあるため、上顎連結ブリッジの上に、ナイトガードを装着していたが、毎回削ってくるため、来院毎に必ず調整を行っていた。補綴物も適宜咬合調整を行ってきた。
17は、根面カリエスにより抜歯を余儀なくされ、その後ブリッジを切断した。より丁寧な咬合調整を行うことで、補綴物の維持安定を図っている。今後も咬合のコントロールおよび感染のコントロールに十分留意し、SPTを継続し長期的な安定を維持していきたいと考えている。